もし、あとたった一人にだけ最高のインプラント治療ができる、という状況があったとしたら、私は、自分の父親にインプラント治療をしてあげたい。
私の父は、上顎(うわあご)が総入れ歯です。ごはんをとても食べづらそうにしていて、最近は表情にもハリがなくなってきたような気がします。できることなら、私がやっているインプラントデンチャー(インプラントで作る入れ歯)をしてあげたいけれど、父は心臓に病気を患っているのでインプラント治療をすることが難しいのです。
父の心臓が悪くなってしまう前にインプラントをしてあげていれば――。
おいしいごはんを一緒に食べられたし、今よりもっと元気だったかもしれない。そもそも、心臓だって悪くならずにすんだかもしれないのに――。
あなたも、今元気だからと油断しないで、健康で幸せなあなた自身の人生のために、「本当の健康長寿」を目指して欲しいと思います。
欧米では、ご老人でも自分の歯が20本前後は残っているのに、日本のご老人はほとんど歯がありません。テレビや雑誌の影響で、いろいろな健康法やダイエット、生活習慣の見直しや病院での定期健診には熱心ですが、みんな歯のこと、口の中のことには無頓着です。
健康のため、将来のため、まず真っ先に信頼できる歯医者さんへ行ってください。
「歯医者さんなんて行きたくない…」と思わずに。「別に痛いところはないから…」と先延ばしせずに。すぐに口の中の状態を診てもらい、ケアしたり、必要であればちゃんと治療してください。
息子の私がせっかく歯医者になったのに、健康を害してしまっている私の父には最高の治療してあげられないというもどかしさ、悔しさを、あなたや、あなたの家族には味わって欲しくないのです。
今は歯があっても、ケアしなければいずれ抜けてしまいます。
自分の歯で食事ができないと、家族と同じごはんを食べることができなくなります。外食や旅行にも行けなくなってしまいます。ちゃんと噛めないと脳への血流が悪化し、脳疾患を誘発したりボケにつながったりする可能性があります。歯周病などの細菌が全身にまわって内蔵疾患が出て、家に閉じこもりがちになって、外へ出るのは病院へ行くためだけになったり、最悪病医院へ行ったきりになってしまう。それはもう皆さん、だいたい同じようなケースばかりです。
みんな、元気なうちは「自分は大丈夫」と言うんです。
でも、間違いなく同じような道をたどって、病気になってしまう。
長生きするけど、健康じゃない。
まだ歯が大丈夫なうちから予防のケアをすることで、また、歯に問題があったとしても、少しでも早いうちに正しい治療を受けることで、外食を楽しんだり、旅行を楽しんだり、趣味を楽しんだり、人生を明るく生きることができるのです。
気付いて、今、行動するか。それともやっぱりこれまでどおり行動しないか。
あなたの人生で、行動を変えられるのはあなただけです。
どうか、全ての人に幸せで充実した人生を送ってほしい。
あなたが、決して後悔しない人生を送ってくださることを願っています。
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